D^n / S^n-1 は S^n と同相

\( D^n = \{ {\rm x} \in \mathbb{R}^n \ : \ |{\rm x}| \leqq 1 \} \) を閉球体として、 \( S^n = \{ {\rm x} \in \mathbb{R}^{n+1} \ : \ |{\rm x}| = 1 \} \) を球面とする。
\( \partial D^n = S^{n-1} \) であるのだが、 \( D^n \) 上で、
\[ x \sim y, \ \ (x, y \in S^{n-1}) \]
から生成される同値関係 \( \sim \) による商空間 \( D^n / \sim \) を簡単に \( D^n \, / \, S^{n-1} \) と書くことにする。今から示すのは、\( D^n \, / \, S^{n-1} \cong S^n \) である。

そのためには、同相写像を作らなければならない。直感的には、円盤の周りをどんどん縮めていって1点にすると球になるという感じだが、そのときの点の中心からの向きや遠さを保つ写像とするのが自然であろう。その写像は、以下のようになる。

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これを式で表すと

\[ \displaystyle
\begin{align}
\varphi(x) & = \left( \frac{x_1 \sin \pi |x|}{|x|}, \ ..., \ \frac{x_1 \sin \pi |x|}{|x|} \cos \pi |x| \right) \ \ \ \ (x = (x_1, \ ..., \ x_n) \neq 0) \\
\varphi(0) & = (0,\ ..., \ 0, 1)
\end{align} \]

となる。これは計算すれば分かるように、 \( \varphi : D^n \rightarrow S^n \) であり、 \( \displaystyle \lim_{x \to 0} \, \varphi(x) = \phi(0) \) であるから連続写像である。
\( |x| = 1 \Rightarrow \phi(x) = (0, \ ..., \ 0, -1) \) であるから、この写像は、連続写像
\( \overline{\varphi} : D^n \, / \, S^{n-1} \Rightarrow S^n, \ \ \overline{\varphi} \circ p = \varphi \) を誘導する。ただし、 \( p : D^n \rightarrow D^n \, / \, S^{n-1} \) は自然な射影である。

単射性について、 \( \varphi(x) = \varphi(x') \) とするとき、これらが \( (0, \ ..., \ 0, 1) \) なら、\( |x| = |x'| = 1 \) となって \( D^n \, / \, S^{n-1} \) の上で等しくなる。そうでないときは、\( |x|, |x'| \leq 1 \) に注意して、第 n+1 成分を比べることで \( |x| = |x'| \) を得て、その他の成分を比べることで、\( x_1 = x'_1, \ ..., \ x_n = x'_n \) を得られる。

全射性について、 \( y = (y_1, \ ..., \ y_n+1) \in S^n \) を取るとき、 \( y = (0, \ ..., \ 0, 1) \) なら自明であるから、そうでないとして良い。このとき、 \( y_{n+1} = \cos \pi a \) なる \( a \in [0, 1] \) を取って、 \( \displaystyle y_i = \frac{x_i \sin \pi a}{a} \) となるように定めて、 \( x = (x_1, \ ..., \ x_n, a) \) と置けば、 \( \varphi(x) = y \) を得る。

以上で、 \( \overline{\varphi} : D^n \, / \, S^{n-1} \Rightarrow S^n \) はコンパクト空間からハウスドルフ空間への全単射連続写像であるから、同相写像。\( \Box \)